前回、医療の制服である白衣がなぜ『白』いのか解説しました。
一方で、なぜ手術着は『青』や『緑』が多いのでしょうか。
手術着はもちろん、手術室やかける布なども『青』や『緑』が多いと思います。
今回はそんな手術おける『色』に注目します。
白衣のときとは全く違う理由であり、科学に基づいたものでした。
手術で見る色、『赤』
外科医は手術の際、血液や臓器のなど『赤』い色を目にします。
ただ目にするだけでなく、集中して瞬きもしないほど注視します。
その後ふと視線をあげると『青』や『緑』の点が視野に現れてしまうのです。
これは色残像と呼ばれる現象です。
色残像による、『青』や『緑』
赤を見続けた目では網膜の赤への感度が低下します。
代わりに補色となる『青』や『緑』が高くなり、色残像が起きます。
補色とは色を並べた時にちょうど反対に当たる色のことです。
図を見ると赤やピンクなどの補色が『青』や『緑』であることがわかります。
体験しよう!
色残像を体験してみましょう。
下の図でピンクの丸を30秒見つめてください。
その後、右の黒い点を見つめてください。
緑色の残像が見えたでしょうか。
次に、右の黒点に緑の背景を使って同様にやってみましょう。
ちらつきが軽減されるのがわかるかと思います。
これが手術室での『青』や『緑』の正体でした。
まとめ
手術における『色』を見ていきました。
- 『赤』を注視することで『青』や『緑』の色残像が起きる
- 残像対策のために、手術では『青』や『緑』が多かった。
普段何気なく使っている手術用品でしたが、科学的な理由がありました。
次回はスクラブの誕生について紐解いていきます!