今も昔も変わらず医者の制服は白衣です。なぜでしょうか。
『白』にはなんとなくきれいなイメージがあるかと思います。
では本当にそのイメージだけが白衣が『白』い理由なのでしょうか。
実は半分は正しく、もう半分は別の理由です。
この記事では白衣がなぜ『白』になったのか解説していきます。
紀元前インドですでに白衣はあった!?
最古で確認されているのは紀元前のインドです。
その頃から医師のような存在があり、清潔であることを義務づけられていました。
清潔であることの証として白い衣が選ばれ、着用されていました。
現代のカラーイメージと変わらないのは非常に興味深いところです。
しかし、現代のような医療の制服が登場するのは19世紀にかけてでした。
また、驚くことに先に登場したのは『白』と真逆の『黒』い服でした。
信頼を得るため、礼服としての『黒』
19世紀までの医療は民間療法と大差がなく、医師は人としての信頼感が重視されていました。
信頼を得るために礼服としての『黒』が神聖な医療現場にも選ばれていました。
画像はアメリカの画家トマス・エイキンズ1875年に描いた作品です。
当時の外科手術が克明に描かれ、当時医師が礼服のような『黒』を着ていたことがわかります。
では現代の白衣である『白』はどこから来たのでしょうか。
衛生を保つ、科学者としての『白』
19世紀になると電気の発明など科学が飛躍的に進歩します。
これに伴い科学者は汚れが目立ち、かつ薬品からの防護もかねる白衣を着るようになりました。
ときを同じくして医療では消毒法が確立し、一般に公衆衛生の理解が広まりました。
それまでは衛生面が医療に重要だとは知られておらず、礼的な面に重きがありました。
さきほど黒い服を描いた同じ画家の14年後の作品です。
打って変わって、すべての医師が『白』い服をきています。
数年の間に衛生管理の重要性が広まり、医師も科学者と同じように白衣を着るようになったことがわかります。
まとめ
ここまで白衣の『白』について語りました。
- 紀元前から清潔感のために『白』い衣が使われていた。
- 信頼感のために礼服の『黒』が着られていた。
- 科学の発展により衛生面から『白』が選ばれた。
白衣が『白』である理由、いかがだったでしょうか。
次は『白』ではなく、『青』や『緑』である手術着を紐解いていきます。